(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

2006-01-01から1年間の記事一覧

遷延性意識障害患者さんの耳は聞こえているか?

今日は,富山県から遷延性意識障害の大山君(28歳,仮名)が来られました.東京で大学生であった時,サッカ−の練習中に意識不明となり,救急病院にて救命は行われたものの,意識については回復しませんでした.いわゆる,植物状態ということになりました.そ…

「基礎」と「臨床」は分けられるのか?

日本摂食嚥下リハビリテ−ション学会から帰阪しました.しばらくブログの更新をサボっておりました.私が座長を務めさせていただいたセクションは,「基礎」というところでした. いつも座長をお引き受けするときに不思議に思うことがあります.それは,私は…

造影剤にとろみ食品はなんでも良いのか?

今日は少々専門的なお話を... 今週から岡山で摂食嚥下リハビリテ−ション学会が始まります.私も座長を務めさせていただきます. 今日は,学会が提示する嚥下造影検査についての標準的な方法についての私見を. その中には,嚥下造影の際に,必要によって…

肉食恐竜の顎関節と咀嚼機能

読者のkomasaさんからのご質問に...またまた私の書き方が悪くて,申し訳ありませんでした.Komasaさんのご質問『顎関節というものは、どんな動物にもあるものと思っていました! 「ワニ」は顎関節がないのですか?では、関節ではないのでしたら、いったい…

草食恐竜と肉食恐竜の下顎 

先週,遅い墓参のために石川県に帰郷していました.その間に子供と福井県勝山の恐竜博物館へ遊びに行きました.多くの肉食恐竜や草食恐竜の実物大の骨格模型があり,その迫力に感動していました. ついつい歯医者の癖で,歯と顎骨に目がいってしまいます.こ…

とろみ食品による口腔ケアは可能か

先日コメントを下さったEmi-Wonder fountainさんから,またご質問を頂戴しました. 彼女は「これは、素人的質問で恥ずかしいですので載せないでください。」と言われていましたが,興味深いので彼女の同意を得て載せさせていただきました. その質問とは,「…

Leigh症候群,刻み食

Leigh症候群の翼君(仮名)(7月31日の記事)の再診をしました.普段どのような食事をとっておられるのか、食事時の姿勢はどうなっているのかを確認したいと思っていました。初診時にお母さんは、「細かく刻んだ食事を与えています」と言われていました。持…

電動歯ブラシの効果

私が大学院時代から15年ほど前まで勉強させていただいた出張先におられた看護師さんのEmi-WonderFountainさんからの質問を受けました. 質問:電動はブラシを頬筋等のリハビリ(唾液腺などのマッサージ)に使用すると効果があると聞きますが、これは誰が発案…

離乳食

先週初診した山本司ちゃん(3歳6ヶ月,仮名)は,ファロー4徴Fallot's tetralogyを有する子どもさんで、保健所の小児科医と障害児施設の言語聴覚士の先生から紹介されました.3才6ヶ月になっても食事が丸呑みになってしまうということで、その原因と対策…

医科的治療が嚥下障害を作ることがある。

脳性麻痺、外傷性頭部障害,神経筋難病などの背景疾患をもたれる人々が、 嚥下障害を訴えられて大学の私の診療室に来られます。 多くの方々が、抗痙攣剤を服用されておられます。 この薬剤は、全身の筋緊張を軽減するのには有効ですが、 同時に嚥下に関わる筋…

顧問をしているバスケットボールクラブが優勝

今回は、Triple-S(Speech, Swsallow, and Sleep)の話から外れる話をすることをお許しいただきたい。今日の昼、私が顧問をする大学のバスケットボール部の学生がやってきました。先週、全国の歯学部、歯科大学の運動系クラブの全国大会である全国歯科学生体…

舌小帯短縮症と哺乳障害

今日は吉田先生のところで久しぶりのテーマに遭遇しました。 舌小帯短縮症の延長術はいつするのか?これは学会では議論になることはないようですが、 日常的に尋ねられる問題です。 その理由の背景には、ある種の母乳哺乳を指導される助産師さんたちの指導が…

Leigh症候群の僕ちゃん

今日はLeigh症候群の僕ちゃんの診察でした.精神運動発達遅延、血中や髄液中の乳酸・ピルビン酸の高値、CTあるいはMRIにおける大脳基底核や脳幹の対象性の壊死性病変を特徴とする疾患です。四肢機能をはじめ,全身機能に問題が生じてきます.教科書的には…

VCF症候群-咽頭弁形成術

先週,咽頭弁形成術をさせていただいたお嬢ちゃんの経過は良い状態で推移しています。医科系病院では、この手術は4歳から5歳で行われますが、その場合にアデノイドの退縮や中咽頭の発達によって障害が再発したり,のどの奥が閉塞することによって睡眠時無…

VCF症候群とPLPと咽頭弁形成術

今週は,咽頭弁形成術という手術をしました.この手術は,本来は,1歳−1.5歳で行われる口蓋形成術でも充分な音声言語機能を賦与することができなかった患者さんに行う,咽頭から粘膜筋肉弁を挙上して軟口蓋を咽頭後壁に繋ぎ合わせることで,お口の空気が鼻…

ブログはじめます.

これが最初のブログになります.このブログでは,私が大学で行っている音声言語機能や摂食嚥下機能の障害の治療や臨床を通じて感じたこと,そして最近の研究で得られたような,教科書にしたり論文にするのを待っていられないような急ぎの情報を発信したいと…