脳性麻痺、外傷性頭部障害,神経筋難病などの背景疾患をもたれる人々が、
嚥下障害を訴えられて大学の私の診療室に来られます。
多くの方々が、抗痙攣剤を服用されておられます。
この薬剤は、全身の筋緊張を軽減するのには有効ですが、
同時に嚥下に関わる筋肉の活動も抑制します。
そのため、一層嚥下機能が障害されることがあります。
よく経験するのは、デパケン、リボトリール、等です。
これらの薬剤の副作用には、食欲不振、流涎とあることが多いです。
これらの副作用の本質は嚥下機能への影響の二次障害であろうと思われます。
このような患者さんの主治医の先生方には、投与量を決定する際には、
このような嚥下機能への影響も考慮していただきたいと思います。