(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

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VCF症候群とPLPと咽頭弁形成術

DocTak2006-07-22

今週は,咽頭弁形成術という手術をしました.この手術は,本来は,1歳−1.5歳で行われる口蓋形成術でも充分な音声言語機能を賦与することができなかった患者さんに行う,咽頭から粘膜筋肉弁を挙上して軟口蓋を咽頭後壁に繋ぎ合わせることで,お口の空気が鼻に抜けないようにするする言葉の治療のための手術です.今週させていただいた方は,15歳のお譲ちゃんですが,VCF症候群(Velocardiofacial症候群)という,特徴的顔貌,心循環器系先天障害,軟口蓋裂を同時に有する患者さんでした.これまでの学術的報告では,軟口蓋裂手術の成績は、それほど高くなく、特に咽頭弁形成するに関しては成績が悪いとされていました。また,循環器系の障害の中に,内頚動脈が内方に変位して,咽頭弁採取時に切断して死に至る場合があることが報告されており,対応の困難な症例とされています.しかしながら、私たちの方法は、まずPLP(Palatal lift prosthesis軟口蓋挙上装置)と呼ばれる,一種のスピ−チエイドという装置を使って咽頭の動きをよくしておいて、言葉の機能のポテンシャルを手術をすることで良好な成績を上げることができています。
また画像分析によって内頚動脈等の走行を把握して,安全に咽頭弁形成術を行ない,良好な成績を挙げています.

現在まで行なっている内頚動脈の走行を予測して行なう咽頭弁形成術の開発に関する論文です.
舘村 卓、原 久永、佐藤 耕一、他(1993)VCF症例における内頚動脈走行の計測に関する一方法.日本口蓋裂学会雑誌,18(2):201-209.

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