(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

【番外】ゼムリンの言語聴覚学の解剖生理

DocTak2007-05-30



先週,ある先天障害に関する学会に出席してまいりました.これまで,多様な診断法や口蓋帆咽頭閉鎖機能(いわゆる鼻咽腔閉鎖機能)についての研究結果とそれにもとづく臨床応用についての発表を行ってきました.しかし,最近,20年前と同じような主題,演題,討論ばかりになってきたような気が強くするようになりました.


この一因は,この学会が,アメリカの同じような学会とは異なり,中心たる委員会に患者さんを常時のメンバーとして受け入れていないからではないかと思います.患者さんが受けた治療,受ける治療について,その学会ではどのように討論されているのか,そして自分の主治医の考えが妥当であるかということを,患者さんは知る必要があると思います.それを受け入れていないのは,ある意味では,自分たちの治療は,医療者のための治療であって,患者さんのための治療ではないのではないか,そしてそのような姿勢は,「父権的医療」であるのではないかと思います.

もちろん,この考えには反論があるでしょう.それは,『患者さんには開放しているので,参加自由である』と言う見解でしょうが,special sessionが学会中に毎年の定例として開催されておらず,患者代表を入れたactiveな委員会がないのであれば,自己満足な学会と言われても仕方ないかもしれません.


さて,数ヶ月前より予告しながら,直前で『延期』があったりで発刊が延びていた,ゼムリンの『言語聴覚学の解剖生理』が医歯薬出版より発刊されました.大変良い書籍であると確信しております.翻訳には,本学の医学部附属病院リハビリテ−ション部のSTの浮田先生,九州保健福祉大学の山田先生に,多大なご協力を頂戴しました.ご両人とも,尊敬に値するすばらしい先生で,多忙にもかかわらず,私の無理なお願いを快く受けて下さいました.
これが陽の目を見たのは,ご両人のお陰と申し上げるべきと思っております.

今日は,大阪の北野病院で,1月に続いて「嚥下障害-評価と対応-」という演題で講演をさせていただきました.実に多くの方が,真剣に聞いてくださっていました.有り難うございました.
終わりに無限責任中間法人TOUCHの新規の業務についての御紹介をさせていただきました.
あらたなTOUCHの業務内容については,適宜,紹介してまいります.


では,また.