(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

コメントへのお応え.


コメントを頂戴すると,ついお応えすることが先になってしまい,以前のお約束を守れませんが,お許しあれ.今回は,奈良で先週講演をした際にお越しになっておられた方のようです.

山本圭子さんのコメント 『奈良,日航ホテル奈良での講演をお聞きしました。嚥下障害に関する講演を始めて聴きました。老人とりわけ認知症老人の嚥下障害については、どのような研修会があるでしょう。認知症があると、嚥下障害の評価、観察がかなり困難なのですが。誤嚥性肺炎が多いのですが、早期の発見は出来ませんし、誤嚥していても、絶食したほうがよいと医師に根拠を持って言えないことがジレンマなのですが。』


今,世の中に出回っている嚥下障害の教科書は,もっぱら脳血管障害の人々の急性期に関わるものが主体です.そして,歯科系からの成書も,何故か(理由は知っていますが,あえて言いません),脳卒中を主体としています.リハビリテ−ション科の患者様の60%が脳血管障害であることを考えると,さもありなんですが...


しかし,全老健(全国老人保健施設協会)の調査では,認知症,しかも問題を難しくするのは脳血管障害性認知症の人々の方が老健施設には多いことです.つまり,現在流布している教科書では太刀打ちできないのですね.


私がお薦めしたいのは,今年,医歯薬出版から金子芳洋先生が出版された「認知症と食べる障害 食の評価・食の実践 」です.原著者はJacqueline Kindell先生ですが,原著自体が最近に出版されたもので,陳腐化していないところが良いと思います.

いまのところ,これ位のものでしょうか.私も老健の職員ハンドブックに書いておりますが,これは老健施設の職員さんのためのものですので,すこし入手は難しいかもしれません.


では,次回は,お約束の続きを.


箕面の山の紅葉は,茶褐色に変わりつつあり,いよいよ12月の冬到来を感じております.読者の皆様には御身体ご自愛の程.

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