筑波の紙屋克子先生のところに，吉田 春陽先生と一緒にお伺いしました．5人の遷延性意識障害の患者さんを診察させていただきました．
まず驚いたことは，看護師さんたちが，実に明るく，そして責任感に燃えていること，そして何よりも「看護の立場からのケア」に誇りをもたれているのが判りました．かつて，麻布脳神経外科病院での紙屋先生たちの取り組みを紹介した「NHKスペシャル『あなたの声が聞きたい』」と同じ力強さ，暖かさを感じました．
私は，診察を始めて直ぐにピンときたことがありました．「自分が受け持っている方々とは明らかに症状が軽い」「暗闇の中，遠くにいるあなたに向かって声を出しているのではなく，夕暮れのすこし向うにいるあなたに声をかけている感覚」「ひとしく頭部の支持が良いこと」でした．これは，急性期から紙屋チ−ムが積極的に関わっていることによる効果であることは明らかです．
疾患治療後，救命後に，もしも専門領域という枠組みで考えていると，このような結果は得られなかったでしょう．これを看護の立場からされていることに，改めて感じ入りました．歯科職が，「歯科」「口腔」という「ことば」を，目の前で助けを求めている人を見捨てる免罪符としてはならないことを伝えて行くためには，やはり，「ケア」の二字を核として考えれば良いのだと思いました．
診察後，吉田 春陽先生とともに講演をさせていただきました．勤務後にもかかわらず，皆さん，ずっと聞いてくださいました．筑波記念病院の皆さんに感謝いたします．またお伺いしたいと思っています．
その日は，筑波エクスプレスにのり，吉田 春陽先生とともに秋葉原のホテルに泊まり，心地よい疲労に包まれて翌朝7：30のJALで帰阪いたしました．大満足でした．
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