(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

第一回北野介護セミナ-・在宅医療・看護を考える会

DocTak2009-02-08


前回にブログ記事を書いた後から数週間の週末は連続で出かけていました.

1月24日には,在宅医療・看護を考える会で講演される紙屋克子先生をお迎えに行き,そのまま参加させていただきました.紙屋先生と原川講師の見事なtransferの概念と方法には,まったく脱帽でした.久しぶりに強烈なインパクトを得た一日で,是非とも紙屋式transferの技術をmasterしたいものであると痛感しました.


1月31日には第一回北野介護セミナーで実習つきのセミナーを担当させていただきました.実習付きのセミナーについては,TOUCHでも企画中ですので,そのためのKnow-Howの蓄積になりました.

この中でもtransferが重要な要素を占めるのですが,この技能については,TOUCHの社員になっていただいている,私のmentorのお一人である吉田春陽先生は,既にセミナーを修了されているとのことで,さすがというしかありません.


今月のQuintessenceでは,歯牙があってチューブやPEGで非経口摂取していない人に歯科医師は何ができるかを書きました.現在の歯科医療の概念として歯科疾患の治療(これを無視できないことは当然です)を最終的な治療のゴールとすると,いかにもこのような人々には歯科は関われないことになります.


南崎先生,いつもコメントを頂戴し,有難うございます.先生の側にもKさんがおられました.先生の気付きが多職種を動かしたということですね.OGになるということですが,NGでも咽頭感覚が鈍磨しますし,Oralでは口腔機能が障害されるかもしれませんので,今後の注意が必要でしょうね.廃用性変化による障害の固定がありますので,適切に再評価されるのが良いと思います.


さて,先週受診してくださったMさんは,ある老健施設で働いておられる歯科衛生士さんからの紹介で初診した患者さんでした.その施設では,今後の摂食嚥下機能について,反復唾液嚥下試験で行うということになったのだそうです.


この検査を否定するものではありませんが,指示に従えない場合に得られた結果がnegativeであったとすると,リスクが高いということで経口摂取は禁じられるのでしょうか.このような検査では,「しなかった」「やりたくなかった」結果も反映されてしまいます.また唾液の連続嚥下を評価すると,咀嚼機能,口唇機能,軟口蓋機能,舌運動機能すべてを評価できるのしょうか.


このような誤まった拡大解釈で利用される検査にVFやVEがあります.これらの検査の問題を明確にして検査するべきであると思います.すなわち,「何故,そんな所見が得られたのか」を追求しないで,結果だけから方針を決定すると,食事を摂らせないという結果が導かれるかもしれません,とくに遷延性意識障害の人々や認知症の人々では.....