(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

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韓国口蓋裂学会

DocTak2007-06-12



韓国口蓋裂学会(Korean Association of Cleft Lip and Palate)に招聘されて,基調講演と講義を行なってまいりました.日本を発つまでプログラムがわからなかったのですが,同時にいくつかの分野(speech,surgery,basic research,clinical research)に分けてありました.ちょうど,米国口蓋裂学会(ACPA)に似ていました.毎年,同じ形式でするというのも同様でした.


プログラムに見慣れた名前がありました.私がmentorとして尊敬するIllinois大学のDavid Kuehn教授のもとで,Ph.D.取得のためにMRIを使った口蓋帆咽頭閉鎖機能(いわゆる鼻咽腔閉鎖機能)の研究をしていた,韓国からのHa女史に出会いました.彼女とは2年前のACPAで出会い,いろいろと研究や臨床の話をした仲でした.もう既に韓国に帰国されたのかと思いきや,Tennessee大のspeech学部でのassociate professorのgpositionを得たとのことでした.


かつて,私は,教室の先輩である方から「日本語と英語は言語が違うので,アメリカでは絶対に日本人がspeechでのpositionを取ることはできない」と訳知り顔で言われていました.私がACPAで発表できるのは生理だからだと言われていました.しかし,現地では決してnative speakerでない教授も沢山いましたので,不思議に感じていましたが,やはりそのコメントは誤りであったとHa女史のpositionで納得しました.


わずか200人程度の学会でしたが,参加者は実に真摯で積極的であり,私は韓国語はわからないのですが発表内容はアメリカでのACPAに劣りませんでした.また資格制度においてもアメリカのASHAと同様に専門の学部4年,その後にMsもしくはPhDを義務付けているようです.


Japan passingと一時言われたことがありましたが,今回であった韓国の人々のoutcomeを見ると,Japan passingは,既にhaving passed Japanあるいは「死んでしまったJapan has passed」になったのかもしれません.


良いのか日本,このままで.


10年ぶりに訪れた延世大学でしたが,実に美しくメインテナンスされており,一層sophisticateされていました.10年前は「箱物」はアメリカの物まねと感じていましたが,多くの若い医師や研究者は,アメリカで研修し,もともとの「儒教思想」に,洗練された欧米人のintelligentsiaの雰囲気が加えられて,実にsophisticateされた印象を感じました.


右上写真は2700床の延世大学医学部病院で,これ以外に最近建造された20階建ての新病院,歯学部病院は市内中心部とこの医学部附属病院の隣にあります.いつのまにか日本は意図せずに静かに鎖国状態に陥ってきているのではないかと感じました.



中の写真は,学会会場となった歯学部病院(左),右が医学部病院です.



この写真は私が滞在した延世大学のvisitor houseです.懐かしいアメリカの中東部のどこかの大学のように美しく快適なhouseでした.


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