(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

意識障害学会・咬合型プレート療法

DocTak2009-08-03



今日,やっと梅雨が明けたそうです.こどもたちが既に庭でプール遊びをしているので,すっかり夏休み気分になっておりましたので,少々間が抜けた印象です.

先々週には,老健全国大会(新潟)での摂食嚥下セミナーを,福島の本間先生,宮粼の黒田先生とご一緒させていただきました.その後,埼玉での「日本意識障害学会」に出席しました.今回の学会参加は,久しぶりの一般演題で自身の発表でした.

発表の目論みは以下の3点です.

1)意識障害の方々が,急性期から長期に仰臥位を続けていることが,口腔器官の位置的,構造的障害を生み,そのことが嚥下機能に問題を生むことを訴えたかったこと.

2)急性期から漫然と継続される薬剤(とくに筋弛緩剤,抗痙攣剤)が喉頭運動を抑制して嚥下障害を固定するために薬剤の交通整理が必要なこと

3)口唇閉鎖機能を賦活し,舌を前方位にするために,咬合型の口唇プレートが有効なこと.

これらを訴えるためでした.色々な原因で意識障害になられた方々に,なんとか口から食事を摂って頂くための支援には,急性期からの歯科医療者の役割りは大きいと思っていますが,残念ながらまだまだ歯科医師の参加は少ないのが現状です.


意識障害学会に参加しているのは私のmentorである吉田春陽先生と私たちだけではないかと思っておりましたら,発表の後で吉田 春陽先生の方にお声をおかけくださった歯科医の方がおられたとのことでした.


なんとか「100匹目の猿」に到達するまでは頑張りたいと思っております.

質問がありました.
『このようなプレートを入れるとむしろ褥瘡をつくるので良くないのではないか?』

本質は,口唇閉鎖機能と舌根の沈下が長期に継続された仰臥位にあることです.仰臥位が継続されていなければ,こんなプレートは不要であったかもしれません.でも仰臥位のために口唇機能と舌根沈下があるのであれば,そちらの改善を優先するべきであり,褥瘡などは簡単に対応できるものと思っています.

これで,来年の学会発表のテーマが決まりました.
ご質問くださった方には深く感謝しております.


そろそろHPが完成に近くなってきております.11月7日の基礎セミナーの申し込みもできるようにしております.