(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

前回の続き.

DocTak2007-02-28



今回のブログは東京での待ち時間に書いております.
昨日は東京で開催された老健のリハビリテ−ション講習会での「摂食嚥下概論」を担当してまいりました.往路の伊丹10:00発のANAの中,羽田着後の浦安ブライトンホテルまでのリムジンの中でTOUCHのパンフレットを作成し,準完成まで至りました.いよいよTOUCHも大きく展開するための材料ができてまいりました.デザインについては,色々アドバイスを頂戴できるステンドグラス作家の友人に聞いてみようと思っています.乞うご期待の程.
ゼムリンは表紙のデザインも含めて完成しました.今,2001年に医歯薬出版から出したBhatnagar「神経科学」の第二版の翻訳にかかっております.


平成16年の全老健調査では,全国に3500の老健施設があり,これは平成元年調査での1800から二倍になったことを示しています.random samplingでの調査では,入所者の85%が認知症であり,脳血管障害性認知症が相対的に多い,という結果を得ています.すなわち,入所者の方々は二重に障害を持っているということになります.


現在,日本摂食嚥下リハビリテ−ション学会が,「カリスマ」になりたい某専門領域の先生方を中心にして動いています.某科の患者さんの65%が脳血管障害であるために,脳血管障害こそが摂食嚥下障害の最も重要な疾患であるかのように喧伝されています.自分が評議員をしながら申し上げるのは,最近の表現を借りると「如何なものか」ということになるのでしょうが,本当にそれで良いのか!?と思っています.


遷延性意識障害,神経筋難病,認知症,様々な原因での脳障害,口腔咽頭,消化管,呼吸器の腫瘍すなわちaero digestive tractの疾患,これらを持つ子供たちや人々の多くは,そのような有名な某科の医師にとっては関心外の対象のようにもみえてしまいます(私がヒネクレタ性格であるからかもしれません).もちろん,私のまわりには素晴らしい,でも数少ない某科の先生もおられますが,政治が好きな先生が学会をリードされることこそ,「如何なものか」と最近,感じております.


私たちは,共に歩いてくださる患者さんとご家族によって却って癒されているように思います.そう考えると,いまのような現状は,私たち医療職も含めて誰も助からないのではないでしょうか.


楽しく,頑張りたいと思います.


さて,架空の81歳の男性です.続いて何を観察し,アンテナを張るか,です.
本文が少なくなりました.恐縮です.

「一日中ベッドで過ごす」ということは,仰臥位で過ごすのか,起座位で過ごすのか,によって,随分と経過が異なります.仰臥位であると舌根沈下し,顎関節は後退して拘縮する,という問題を生じます.どうなるでしょうか?答えを書きますので,その背景を想像してください.答えは,1)口腔乾燥する,2)咀嚼はできなくなる,3)開口になる,4)傾眠になる,ということで一日リズムが崩れます.

対応は,起座位にすることが必要です.その際に必要だけれど忘れがちであるポイントについては,既に書きました.


さて,次回からは,「口腔ケア」に軸足を移したいと思っています.その中で姿勢についても触れることになると思います.


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