(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

宮城歯科衛生士会での講演,TOUCHセミナーの仙台版とでも言いましょうか...

DocTak2007-10-29



先週木曜日に東大阪の開業医の先生方のスタディグループでお話をさせていただき,翌金曜日から老健施設運営部会での会議で東京に移動しました.この会議では,より良い今後の老健を作り上げるためにどのようなミッションを行なえば良いかを検討する会議です.


今回は私の当番で,口腔ケアと摂食咀嚼嚥下障害についての現状分析と今後への提案を行ないました.
会議後,宮城歯科衛生士会での講演のために仙台に移動しました.


仙台での講演が日曜日でしたので,移動の翌日の土曜日の朝にホテルで仕事をして,息抜きに伊達家ゆかりの史跡と博物館回りをして,東北大学教授の同級生S君と衛生士会の皆さんと食事をしようと思っておりました.


なんと!!


金曜日に突然日本近隣の海域で台風が発生して時速100km/hで北東,すなわち仙台めがけてやってまいりました.
子供の頃から,「雨男」の勇名を頂いており,最近では,昨年3月の下旬に旅行先の淡路島に大雪を降らせて,同行者の顰蹙を買いました.
今年8月にケア付きねぶたの日に,日本海から大陸へ抜けようとしていた台風を突然北東に向かせて青森に呼びました.今回も私が出かけようとした土曜日はとんでもない大雨でした.


ところが,私の雨男は「私がくつろぐときだけ」で仕事の時には確実に晴れますので,講演会の日曜日には参加くださる方には御迷惑をお掛けしなかったのではないかと思っております.


さて,今日興味ある論文を見ました.American Journal of Emergency Medicine(25:786-790,2007)に,心配蘇生法CPRを胸部でなく,上腹部を圧迫する方法が一人で可能であり,従来法のように肋骨骨折のリスクも無いというものです.ここでCPRのことを申し上げることが意図ではありません.この論文で上腹部を薦める理由が,上腹部を圧迫すると横隔膜を頭部側に押し上げられるために肺から呼気が排出され,手を戻すと吸気するためである,としています.すなわち,仰臥位にすると腹部内臓はダラーンと床に伸びるようになります.その結果,立位であるときに横隔膜を下方へ引いていた内臓が,横になると横隔膜を押しやるようになり,呼気を誘導することに原理があります.

さて,私どもの診察室に来られる嚥下障害を訴える患者さんの中には,姿勢のコントロールが難しいとのことで,バギーにしっかりと上半身を固定するためにお腹をベルトでしっかりと圧迫されてこられるときがあります.


これは当然,腹部内臓で横隔膜を上方に押しやっています.その結果,吸気が困難になり,嚥下時の呼吸停止時間が短くなります.また仰臥位にすると一層肺容量は減少します.


起座位が重要です.


右の写真は,雨に濡れる独眼流-伊達-政宗銅像ですが,瑞鳳殿政宗の廟)から出土した頚骨からの推定では身長160cmに満たなかったらしいです.


TOUCHセミナーは順調にお申し込みを頂戴しております.時間的にも相当たっぷりお話できると思っています.どうぞお誘いあわせの上お越しください.