(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

SMAPのコンサートと優秀論文賞

今月に入って週末は学会続きで更新ができずに読者の皆さんには申し訳けなく思っております.

さて,今回は2つ嬉しい話題を.

1つ目.

かつてこのブログで取り上げた,明石に住まわれる遷延性意識障害のお嬢さんの今年の夏のお話です.

遷延性意識障害の方々の口唇閉鎖機能の賦活と舌の前方誘導のために最近好んで使用しているのが,私たちが開発したlip plateですが,そのきっかけになったお嬢さんです.

今年の夏,念願のSMAPの名古屋でのコンサートに参加されたとのことです.お兄様とご父君はスタジアムの外で待機され,ご母堂がご一緒に入場されたとのことでした.ご家族は「1時間くらいで退出」されると予測されていたのですが,4時間の全プログラムをフルに堪能され,翌日には車で帰宅されたとのことでした.

帰宅された当日には地域のお祭りにも浴衣を着られて参加されたものの,全く体調を崩されることもなかったとのことでした.

やはり経口摂取の威力を感じます.

段々年齢が高くなると身体中が緩んできますが,涙腺も緩みだしてきて,迂闊にも診療場で零すところでした.本当にうれしく,このままで経過して,もう一つステップアップにご協力したいと思っています.

2つ目の嬉しいこと.

2週間前の話題で恐縮です.
今月第1週に日本摂食嚥下リハビリテ−ション学会総会が新潟で開催されました.
私と一緒に臨床と研究を行なってくれている河合利彦先生の昨年の論文「低粘性液状食品の粘性の相違が嚥下時の口蓋帆挙筋活動におよおす影響(13(2),2009)」が優秀論文賞を受賞しました.明治乳業研究所の研究員の皆さんとの共同研究で,実に有機的なつながりの中での研究です.「なぜミルク,同じ量の水より飲みやすいのか」を生理学的に明らかにできた初めての論文です.

長かった今年の夏もそろそろ終わりそうです.皆さん,御身ご自愛のほど.