昨日,『砂風呂』遊びをしていた中学生が亡くなりました.かれは鼻や口を塞がれたのではなく,窒息状態であったとのことです.
さて,身近の臨床の現場にも,このようになる寸前のことがあります.
中学生は,たった一人で70cmの深さの壕に座っていたところに,砂を胸の高さまで入れられたとのことです.すなわち,腹部や胸部の運動性(拡張)が,身体周囲を満たした砂によって妨げられたことによる窒息死でした.
身体活動機能が不十分である場合,バギーに乗せられて診療場にお越しいただく方の中には,移動時に身体を支持するために,胸部も腹部もベルトで固定されている場合があります.
このような場合には,胸式呼吸も腹式呼吸も障害されます.拡張が障害されると,十分に吸気ができない状態になります.このような状態で口腔ケアを行なおうとすると,十分量の吸気ができず,ケアの際に生じる刺激性唾液を誤嚥する可能性があります.また,嚥下運動も抑制される可能性があります.
口腔ケアならびに食事時には,ベルト緩めていただくほうが,御本人も楽であると思います.
先週末は,横浜で496人の栄養士さんたちにお話してまいりました.その翌日の日曜日には東京医科歯科大学歯科衛生士学校の同窓会さつき会でspeechと嚥下の両方に関わる,私のlife workとでもいうべき口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能のお話をさせていただきました.
昨日は,沢山の患者さんがお世話になっております南大阪療育園の皆さんにお話してまいりました.