(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

日経新聞の記事(以前のつづき)

3月16日に日経新聞に取材記事が載ったとのことを書きましたが,
その後に記事を見てお尋ねくださる方がおられました.
また記事の内容自体についてのお問い合わせも多く頂戴しました.


少し,丁寧に記事の骨子を何回かに分けて書きます.


平成16年の厚生労働省の調査で,肺炎が日本人の死因の4位であること,80歳以上の方での死因になると1位になることが明らかになっています.このような肺炎の中には,実際に肺炎を起こす細菌によるものもあるでしょうが,いわゆる誤嚥性肺炎も含まれていると思われます.なぜこのような言い方をするかと言うと,「誤嚥性肺炎」を初期症状として定義されていないために確実に診断できる医療者がおらず,お亡くなりになった後で「肺炎」と診断されているのではないかと思われるためです.ちなみに誤嚥性肺炎として診断された人で92%以上が65歳以上との資料もあります.


しかしながら,お亡くなりになってから「肺炎」であったとするのではなく,その前に「誤嚥性肺炎」の徴候を捉えて早目に対応することであろうと思います.記事には,早期発見のチェックポイントを載せてあります.誤嚥性肺炎の防止のためには,以前から書いております「3点セット」の励行ですね.これは嚥下障害への舘村式対応の1番「呼吸路の安全な確保」です.


南崎先生からコメントを頂戴しました.
御父君に口腔ケアをなさっている際に刺激性唾液を嚥下されておられるとのことです.
嚥下された後,遅延的に気管に垂れ込む,いわゆる喉頭侵入に気をつけてください.どのようにして判断するか?頚部の聴診をなさってみて下さい.湿性のRa音やmurmurが聞こえなくて,乾いた空気の流れる音であれば大丈夫と思います.