昨日,テレビのスポーツ番組を見ていて面白い話をしていました.
それはモーグルの上村選手が,復活する過程についてでの話でした.
彼女は空中で様々な演技(?エアーというのでしょうか)をすることに賭けていて評判が高かったのです
が,競技会では低い得点しか与えられなかったとのことでした.
如何にすれば高得点が獲得できるのかに悩み,
現役時代に素晴らしい成績を残したある外国人コーチに指導を請いました.
モーグル競技では,エアーと同時にターンの美しさや精度が求められるとのことでした.
彼の上村さんの演技の評価によると,ターンが全く駄目であったとのことでした.
実際上村さんは,エアーの練習ばかりをしていたとのことでした.
ここからです.
ターンでは,コース上に多数連続して生じる「コブ」をターンしてクリアする際
に,下半身はまるで車のショックアブゾーバのように滑らかで機敏に上下し,上
半身と頭位は一定の高さを保つ必要があるということでした.
下半身が柔軟性を持たないと上半身と頭位のしっかりした維持が困難になる...ムム,何かに似ている.
そうです.安全な呼吸路の確保のための嚥下姿勢の条件である,足底接地と体幹
保持,うなずき頭位ができるためには,腰の柔軟性であり,それには膝の屈伸性
が必要で,それには踵の屈曲性が必要です.
体幹と頭位の保持の良否は,下肢の運動性にあります.
昨年翻訳した「ゼムリンの言語聴覚学の解剖生理(医歯薬出版)」には,
言葉の訓練は,口から始まるのではなく,from the hip to the lipという韻を
踏んだ名言が示されていました.そうです,口の機能を発揮するには,腰
(hip)-姿勢をしっかりさせることが必要なのですね.
リハビリテ−ションはスポーツからも参考にすることが多いです.