先週末は,南河内嚥下研究会にて講演を致しました.淡路の大宿先生も御一緒でした.
二人の講演の後に,主催者の青山第二病院の房先生,大宿先生,私で,会場の参加者の方々とのQ&Aを行ないました.
大宿先生から,これまでの私たちが臨床的経験で持っていた抗痙攣剤,筋弛緩薬,抗欝剤の薬剤副作用を原因とする嚥下障害に加えて,抗パーキンソン剤による影響もあるとの御指摘もありました.勉強になりました.
意識障害の方々には,抗痙攣剤や筋弛緩薬がよく処方されます.
主治医の先生方には,是非とも定期的に薬剤内容,処方量等を副作用の軽減も含めて,
調整していただきたいと思う次第です.
さて,講演の翌日の「どうぶつ奇想天外」であったと思うのですが,面白い内容のレポートでした.
ジュゴンとよく似た海牛目の仲間,マナティについての企画でした(右上の写真はウイキペディアからの引用です).
その中で,アメリカの保護区で撮影中のカメラマンに近づいてくるマナティが何か悪戯をするのですが,それを出演者に当てさせる問題がありました.
答えは,カメラマンの水泳着を口で噛んで脱がせる,ということでしたが,
興味深かったのは,その理由についての動物学者の説明でした.
マナティ(哺乳動物です)は,草食で腸が長く,消化機能が低いために,
常に咀嚼していないと腸管が動かなくなるため,何でも噛みたがるということでした.
動物では口を使って咀嚼すると腸管が動くことが確認できているようですね.
人間では,皆さんも経験がお有りでしょうが,朝食後にトイレに行きたくなる「胃結腸反射」が知られていますが,口を使ったことによる腸管運動の亢進についての報告を私はまだ知りません.
でもマナティが草食哺乳類であることを考えると人にあってもおかしくないですね.
すると,意識障害の方々で経管栄養で長期経過している場合には,
口腔への刺激で腸管運動を促して,便秘が改善されることも十分に考えられます.
ムム,これは調べてみんといかんですなぁ.....