(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

姿勢,呼吸

DocTak2007-01-21


燃える大寒

一昨日は母校,大手前高等学校の同窓会での「金蘭会セミナー」でお話をさせていただきました.私の大学の宮原総長のご母堂が同窓であることも驚きでしたが,私が医学部の第二外科(消化器外科)と,同科での食道癌患者さんの口腔リハビリテ−ションの取り組みを始めるきっかけとなった同科看護師さんの看護研究を指導された看護師さんのご主人のご父君が同窓会の会長でした.平均年齢は,多分70歳位かと思いますが,さすが大手前高等女学校の卒業生で,最後までしっかりとお聞きくださり,私も調子に乗って時間超過してしまいました.
燃える大寒でした.


さて,姿勢に戻ります.


何故,食事中に姿勢が問題になるか?1つは,姿勢の調整が呼吸路の確実な確保に必要であることです.すなわち,俗に言う「姿勢が悪い」とは,背中が丸まった状態です.このような姿勢は,身体に適合していない椅子に座っているような状態であると生じます.背中が丸いということは,言い換えれば,お腹側は短くなっていることですが,腹部内臓の体積は変わらないので,胸郭を下から圧迫するということです.その結果,十分に吸気できない姿勢となります.写真のようにソファに座った状態ですね.


そうです,ご想像の通り,嚥下時の呼吸停止のために可能な時間が限られてくるのです.健常者では問題にならないかもしれませんが,咽頭の通過時間に問題があると,通過中に呼吸が再開されて,咽頭に残留する食物を気管内に吸引し,多ければムセ,少なくて咽頭感覚が障害されていれば不顕性誤嚥ということになります.


また,口腔ケアする場合も同様ですね.口腔ケアを「悪い姿勢」で行えば,十分に息こらえができなくなり,ケアの最中に呼吸が再開してムセたり誤嚥したりということになります.


では,この姿勢をどのように整え,訓練はどうするのか?
次回に具体的なminimum requirementを.


今週は山口大学での出張講演です.山口で食べると言えば,,,,


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