(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

 新年のご挨拶+姿勢と口腔ケア 

DocTak2007-01-08


既に新年になって8日もたってしまってでは,間の抜けた挨拶になってしまいますが,新年,明けましておめでとうございます.皆様の益々のご発展をお祈りいたしますとともに,ご支援とご意見をお願いしたいと思っております.


Komasaさん,大晦日にご案内しましたイタリヤ鍋は如何でしたでしょうか?所詮は男の料理で大雑把なものですので,大々的に載せてよかったのかと今やや反省気味です.


昨日は阪大歯学部同窓会理事会の新年会がリーガロイヤルホテルでありました.
これまでは不義理をして欠席することが多かったのですが,今年は私の尊敬しております玉利会長のご勇退の年でもあり,出席いたしました.


懐かしい先輩の先生方にお会いすることができ,楽しく和やかな時間を楽しませていただき,さらに二次会は吉田春陽先生とバーナードリーチ設計のリーチバーでマティニなどを頂きながら,TOUCHの構想を練っておりました(吉田春陽先生には,TOUCHの社員も引き受けていただいており立場が逆じゃないのかと恐縮しております).


最近の私のマティニの好みは,ベルモットにノイリープラットを使うもので,チンザノのように鼻にツンとくる香りの無いものです.究極のマティニ好きとは,チンザノの瓶を眺めて,グラスにはジンだけを入れてグットやる,と言うことらしいですが,私にはできません.


さて,本題です.
姿勢と口腔ケアの第二回目です.新年ですので軽くジャブ程度で...


ある訪問先のご婦人Mさんです.昨年2月に脳卒中を患われ,救命はうまくいきましたが,経口摂取が上手くいかないとのことでPEGが留置されました.なんとか口から食べさせてあげたいとのことで依頼がありました.日常的にベッドで仰臥されておられ,訪問でのリハビリテ−ション等は一切プランに入っていませんでした.頻繁にムセル,微熱程度の発熱があるとのことでした.ご自宅を訪問しましたところ,大変興味深いことがありました.


上の図を見てください.Mさんのベッドは,壁面に左側を当てて設置されており,窓からの外の光が見えるようにと,足を窓側にして頭部は内側にされておられました.M婦人には右側の麻痺が残遺しています.家人はケアの際にM婦人のベッドの右側を動きます.家人や外の光を見るために,当然のこととして婦人の顔は右側が下になります.その結果,常時,唾液は麻痺側から咽頭に流れていくことになります.ムセの原因はここにありました.したがって,口腔ケアの場合にも,上半身挙上はもちろん行ったとして,麻痺側を下にしないような工夫が要ります.


そこで,行ったことは簡単なことです.ベッドの向きを180度回転していただき,非患側である左側が下にくるようにしていただきましたその結果,良好に経過するようになり,また問題なく口腔ケアもできるようになりました.


姿勢を直接調節することも重要ですが,このような姿勢に影響を与える周辺環境にも注意が必要のようです.

今年も私の知る限りの情報を公開していきたいと思っております.よろしくお願いいたします.