新年が明けて早2週間も経ってしまいました．
今年は新年から出かけることが多くて更新していませんでした．1月9−10日には金沢での近畿北陸地域在宅歯科医師養成研修会の講演，昨日はライオン歯科研究所主催のNew Year Seminarの講師を務めました．
いずれの講演会でも参加者の中に，このページの読者さんがおられ「更新されていないぞ」とのご叱責を頂戴しました．申し訳ありませんでした．
さて昨年末から大寒の新年です．我が家のあります大阪池田の山奥では，久しぶりに毎朝雪模様になっております．我が家の迷犬カッシュは庭に出すと「犬は喜び庭駆け回り」ということは絶対にしないで，庭に放した途端に用足しをした途端，一目散に軒下に入り私たちの庭履きの上で座り屋内に入れるよう強くアピールします．
では御約束の舌小帯の手術適応に関する話題です．
舌小帯の手術適用については，一般的には，「突出させると舌尖がハート型になる」「/s/音，/r/音が正しく出せない」ということとしています．しかしながら，このような症状が軽微であった場合にはどうしましょうか？
突出させるとわずかに舌尖が凹むが，構音はやや流暢性には欠けるものの，コミュニケーションを障害するほどでもなく，行ったとしても簡単な構音訓練を行って経過を追っかけるかという程度．さぁ，いかがいたしましょうか．
一つは既に4歳程度になっているのに，食事に時間がかかり，好き嫌いがあるかどうかの確認をします．御母さんが「この子は線維の多い野菜やお肉でも薄切り肉しか食べません」などと言われるのでしたら，一度線維の多い食物や臼歯でしっかりと咀嚼する必要のある唐揚げ，焼き鳥，部集め分厚めのお肉で，咀嚼動作を確認してください．もしも，時間がかかったり，小さくして嚥下しているようならば，臼歯咬合面に食物を乗せることができていない，すなわち舌小帯のために舌が左右運動できないのかもしれません．もともとは嗜好の問題ではなく，咀嚼時の舌の左右運動の問題であったかもしれません．
このような場合，私は延長術の適用としています．
術後の訓練が完了するとご家族は共通して「好き嫌いとちゃう（違う）かったんやね」「もっとはように（早くに）来といたら良かったね」と言われます．
