(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

2月は逃げる.友は逝く.

DocTak2009-02-24


1月最終週での北野病院での第一回北野介護セミナーで実習付き講演をした翌週から,毎週週末に講演に出かけておりました.2月1日には兵庫医大の旧知の神経内科野崎先生プロデュースのロイヤルホテルでの「嚥下食食事会」の試食会,9日には大阪老人保健施設協会での講演,14日は嚥下食食事会の本番,15日は愛媛県言語聴覚士での講演,21日は和歌山県歯科衛生士会での特定研修の講師を務めさせていただきました.


愛媛県言語聴覚士会での講演は愛媛大学で行ないました.この講演は,私の中学,高校時代の同級生が呼んでくれたのだと思って伺いました.
友人は,昨年1月7日に間質性肺炎と5年間戦いながら,薬石効なく召されてしまいました.


私の出身中学校は,当時朝日新聞に「今,中学では」という特集が組まれるほど校内(外も)暴力で有名な学校でした.二つの小学校からの生徒が集まりますが,彼は私の出身小学校とは別の学校出身でした.既に入学時には,長身,利発,成績抜群,人望高くと,こんなとんでもない中学には似つかわしくない,まるで劇画のヒーローを絵に描いたような男で,兄貴は既に京都大学法学部の学生という,こんな恵まれた奴がいるのかと驚いたものでした.


同じクラスで同じバスケットボールクラブでしたが,センスの低い私とは異なって,1年生でスタメンを勝ち取っていました.同じ大手前高等学校に進み,こちらは一周遅れの学生運動まがいの活動をしていましたが,彼はやはりバスケットに邁進し,現役で京都大学法学部に入学し,こちらは阪大工学部に入学するも中途退学してしまいました.


その後に彼は愛媛大学法文学部の准教授になりました.ある日,大阪の地下鉄の駅で,ふと振り返ると彼が横を通り過ぎていくところでした.その時に交わした久しぶりの会話が彼との最後の時間でした.


残念でした.愛媛大学の近くの「千秋寺」にお墓がありました.講演の後,墓参りに伺いました.墓前にて何ともやりきれない気持ちになりました.私のバスケット仲間が,色々な難病で死んでいく奴が多く,何ともかんとも.


合掌.


さて,先週,この二年間の小生の人生の多くをかけてしまった『神経科学-コミュニケーション障害理解のために-第三版』が上梓されました.初版から10年経過しました.なぜ第二版がないのか.それは,第二版の翻訳が完成した直後に第三版が出版されたためでした.トホホ.しかしながら,第三版は,原著出版後1年を越えていませんので,かなりUP-TO-DATEであると言えます.
もともとspeech personである私にとっては,自分のidentityを確認するうえでの楽しい時間でした.


speechの話のついでに,次回は側音化構音がplateで改善する?という話をします.