福岡で開催されていた日本顎顔面補綴学会に出席していました.
宿泊していたホテルは,「ホテルニュータガワ」という少々古臭い名称のホテルでしたが,名前の印象とは異なり快適な調度にホスピタリティ,なによりも素晴らしい庭園に満足いたしました.
庭は,池泉廻遊式書院造り庭園(ホテル側の説明では松を基調として配置してあるため「林泉廻遊式庭園」と称しているとのことでした)であり,2〜3本の松を効果的に組み込み,その間にツツジと大小の灯篭を積極的な遠近法の利用によって配置した結果,視覚効果が高く生じて実際の広さよりもはるかに広く感じる庭でした.
ホテルの方にお聞きしたところ,明治時代,炭鉱で財をなした貴族院議員,山本貴三郎氏の邸宅であったとのことで,2000坪の敷地に1000坪という贅沢な庭であり,小倉の地でこのような庭に出会えて感激でした.残念ながら,ホテルの外にマンションが最近建ったとのことで,かつては小倉で唯一の山である「足立山」を借景にしていたとのことでしたが,その効果は薄れていました.足立山を借景にしていた頃には,京都の三千院の奥あたりにある実光院などの回遊式庭園に優るとも劣らない,借景を利用したさぞかし素晴らしい広大な景観を愛でることができたのでしょう.
さて,前回の記事に対して,「西やん」さんからコメントを頂戴していました.
再掲します.
『いつも勉強させていただいています。私は特養の介護員をしております。先日、先生のセミナー内容をもとに、フロア内にて勉強会を開きました。そこで、ある疑問が生じたので、この場をお借りして質問させていただきます。
「足底接地」の部分なのですが、尖足の方、あるいは下肢の拘縮がある方はどうすればよいのでしょうか?
一応、ふくらはぎの裏にはビーズクッションを挟めてずり落ち対策としております。一方的な質問にて大変恐縮ですが、もしよろしければ、お教え下さい。』
長期に臥床状態で,足に寝具がかけられた状態で経過された方々では,御指摘のように「尖足」や「下肢の拘縮」が認められることがあります.足底接地の基本的な目的は,上半身のずれの防止と腹筋の力(喀出力の強化)です.したがって,この効果が担保できるなら問題ないのですが,やはり「普通」を行きたいので.....
尖足状態で経過させると「ふくらはぎ」の筋肉が「短縮」します.その結果,尚一層尖足は強化されます.
まず,「ふくらはぎ」から足首全体を暖めます,暖めたタオル(最近では電子レンジで温める再生可能なパックがあるそうです)を巻きつけ,ラップでくるみます.ゆっくりと足首を曲げていきます.何年もかかって完成した拘縮ですので,そう簡単には曲がらないと思います.少しほぐれたと感じたら,足の裏とベッドの脚側の板との間にダンボール箱を入れて弱く固定します.ダンボール箱はひしゃげながら,ある程度曲がった状態を維持してくれます.このようにして徐々に改善していっています.
どうでしょうか,参考になったでしょうか.
では,また.