(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

TOUCHの設立主旨と中間法人

DocTak2008-01-06



新年明けましておめでとうございます


読者の皆様はどのような新年をお迎えになられましたでしょうか.


私は,ここ数年でもっとも落ち着いた寛いだ新年でした.
4年に一度,オリンピックの年の正月3日に開催される高校時代の同学年の同窓会が茶屋町阪急インタ−ナショナルホテルでありました.学年の30%程度の参加とのことでした.これまで私は皆出席ですが,幹事によりますと85%がそうだということでした.
二回程前(つまり8年前)には,頭が寂しくなっていたり,メタボ予備軍であったりで,驚くことが多かった同級生の変貌振りですが(もちろん私も同じです),今回はそれも含めて落ち着いてきた(妙な言い回しですが)大人の同窓会でした.


さて,新年早々の記事は,『何故,無限責任中間法人なのだ』です.


一昨年設立した無限責任中間法人TOUCHについて,色々と誤解,誹謗,中傷が私の耳に聞こえてくるようになりました.改めて,ここで説明をしておきたいと思っています.


よく似た法人にNPOがありますが,これとの比較にもとづいて説明します.


多くの方が,TOUCHを,NPOか営利法人かに誤解されています.まずこれを解きたいと思います.


NPOは一般的によく理解されています.NPO法の基本は,特定非営利活動として指定された活動を行なう団体(主にボランティアの任意団体で)に法人格を与えるというものです.この活動の内容については多様ですが,主に17項目の活動が内閣府NPOホ-ムページ(詳しくはhttp://www.npo-homepage.go.jp/index.html)には示されています.
設立には条件があり,10人以上の社員が要ること,ボランティア団体に与える法人格であるため参加者を拒めないということです.


私たちは,TOUCH設立前に当初NPOで立ち上げようかとも話し合っていました.

TOUCHが目標とするのは,現在の疾患治療医学の網では,口から食べることを支援できていない人々,すなわち認知症遷延性意識障害の人々に,生活者としての支援を行ないたいということです.

この人々には,急性期疾患治療の概念による病院治療では対応できません.私たちの,経験と臨床生理学からの知見をなんとか,医療界,福祉の世界,教育の世界に広く行き渡らせたいというのが動機です.


残念ながら,私たちの目標は,単純な目に見える病院の儲けに繋がらないために,賛同者を得ることが難しいと思いました(実際には私たちの取組みを行なうことで,肺炎の発症率が低減することや,栄養支援することで予備力が増強することから,医療費の低減には実に有効ではあるのです).


多くの賛同者を集める努力をするか,それともNPOを諦めるかで悩みました.


NPO法人税がかかりません.そのため,世間にはNPOを隠れ蓑にして『悪徳』活動をしている団体もかなりあります.これは,内閣府NPOホ-ムページにも参加希望する人たちに警鐘を鳴らしています.小さなNPOであった場合(最少の10人社員),『色々』な人々が参加を希望しても拒否できませんので,11人集まった段階で『乗っ取り』が可能であると言うことです.もしもそうなれば,私たちの目的は頓挫し,多くの障害を持たれている人々や支援してくださる人々に御迷惑をかけることになります.

私たちの社員は,私,私のmentorであり介護保険と在宅診療に関しては全国的に有名な吉田春陽先生,デンタルハイジーンに口腔ケアの連載をされた守口のM先生,障害者歯科治療も専門にされている神戸のF先生の4人です.この4人しかいません.


中間法人と言うのは,最近多くの学会が法人格を取る際に選択する法人です.これは,営利法人とNPOの中間と言う意味です.有限責任無限責任とがあります.学会などでは,有限責任をとりますが,最少の人数の条件があり,理事会や総会など,大きな法人と変わらない事務手続きが要ります.


一方,無限責任中間法人は,社員全員が「無限に責任を負う」ことを条件としていますが,2人から始めることが可能であり,社員数は申請時から変更できないことが法律で決められています.すなわち,「乗っ取り」は不可能で,御迷惑をかけることがないということです.非営利法人に近いため,社員には何も還元されませんので,行なう活動によってはNPOと全く同じですが,法人税の負担があります.

私たち4人は,NPO法人の特定非営利活動の第1番目にある,『保健、医療又は福祉の増進を図る活動』のためにTOUCHを設立しました.


以上,少々長くなりました,何故中間法人なのか,の説明をさせていただきました.


今年も,認知症遷延性意識障害の方々への「口から食べる」ことの支援を,口腔ケアの立場から進めて行きたいと思っています.