(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

TOUCH基礎セミナーいよいよ開催


TOUCHセミナーの準備のために下書きのままで更新せずにおりました.
さて,12月8日の基礎セミナー,北は小樽,南は大分からも参加くださるようです.
このセミナーについては,色々なことを言われる方がおられるようですので,再度,このTOUCHとセミナーの主旨を説明しておきます.


摂食咀嚼嚥下障害は,脳血管障害の急性期だけではなく,多様な原因で発症します.外傷性頭部障害,低酸素脳症等の後の遷延性意識障害の方々,小児先天疾患,神経難病,認知症,これらの方々に対しては,脳血管障害例への対応だけでなく,廃用性変化の修飾を考慮した取り組みが必要です.しかしながら,これらの方々が病院を受診することは,身体的,物理的にも困難であり,さらに,このような概念自体も広くは知られてはいません.最も頻繁にこれらの方々に接触されるのは,看護師,歯科衛生士,栄養士,保健師,訪問リハのPT,これらの職の方々と思いますが,現場では玉石混交の情報が飛び交っており,結果として,暴力的ケアになっていることもあります.このような方々に,どのようにして,今の私たちが得た情報や概念を紹介しようかと考えた結果の法人とセミナーです.

という主旨を理解下さった方々で,当初予定の150名が,結果として申し込みが240名になりましたが,会場の都合で200名にさせていただきました.

さて,前回の途中のケアの基本についての,大まかな流れです.


1)肩から頚部にかけて,温めた後にマッサージする.
2)頬部皮膚表面を理髪店での髭剃りの際に行なうように温めたタオルなどで蒸す(参照pp   ).
3)口腔清掃用グローブを履いた指を口角から口腔前庭部に挿入して,頬粘膜をストレッチする.ストレッチ時には,指先で下顎枝前縁から内面に触れる.下顎枝の内面には前口蓋弓が存在するため,同部のストレッチを兼ねる.
4)柔らかな歯ブラシ(Home Care USやSS)を口角から臼歯部へ入れて,臼歯歯肉を柔らかくマッサージする.
5)歯ブラシを前歯部へ移動させて,同様に前歯部を柔らかくマッサージする.
6)開口量が増加していくにつれて,臼歯歯牙咬合面を擦掃する.
7)咬合面を擦掃しながら,毛先で舌の側縁を触れる.
8)側縁に前後方向にマッサージをしつつ,舌運動の範囲を評価する.
9)太い綿棒を冷やした生食水に浸漬したもの,あるいはそれを凍らせたものを用いて,舌の側縁を内方に押し付けて変形させることで,舌が戻ってくる動作を誘導して,舌の左右運動を促す.
10)同じ舌の綿棒を後方へ動かし,前口蓋弓をストレッチする.
11)同じ綿棒を軟口蓋の口蓋垂の基部周辺から,軟口蓋の挙筋陥凹に相当する部分もストレッチすることで軟口蓋の挙上を促す.



今書いている教科書の中からの抜粋です.


では,次回はTOUCHセミナの報告です.