(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

第1回(通算14回)TOUCH VPF(口蓋帆咽頭閉鎖機能)セミナー受付開始しました

キャンパス秋模様



ここ数週間の週末は,札幌市歯科医師会,秋田県歯科医師会に続いて,東京医科歯科大学での講義に出かけ,多くの皆さんにお世話になっておりました.有り難うございました.


この間に山口の南崎先生,秋田の藤巻さんからコメントを頂いておりましたのに,resせずに失礼をしておりました.申し訳ありませんでした.世の中はすっかりと秋めいてまいりました.


第1回(通算14回)TOUCH VPF(口蓋帆咽頭閉鎖機能)セミナー受付開始しました.

TOUCHのHPからお申し込みなれます.
ご案内のpdfはこちら,FAX用申込書はこちらです.

さて,先日,テレビを見ておりますと,懐かしや「八幡光雲堂」さんが取材されていました.


「八幡光雲堂」という名前で何の会社かすぐに判った方は,相当マニアックな方です.この会社は,「巻笛」「吹き戻し」「blow-out」等,様々な呼び名のある玩具の市場シェア率85%を有する会社です.実に多様な「吹き戻し」を製造販売されておられます.私たちは,ある研究に御協力を頂き,興味深い結果を口蓋裂学会で発表いたしました.


その研究とは,「音声言語医学会」が,口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能(VPF)を「ハードブローイング」を用いて評価する場合に「巻笛」を使っていることに疑問を感じたところから始めました.すなわち,VPFの中心的活動を担う口蓋帆挙筋の活動は,IllinoisのDave Kuehnや私の院生時代の指導教官であった後藤友信先生の研究によって,口腔内圧と閉鎖不全の重症度によって変化することが示されていたからです.


「もしも『巻笛』を膨らませるために必要な口腔内圧が相違するならば,閉鎖状態を正しく評価できないのではないか」ということです.「巻笛」は沢山の種類があり,医療用具ではありませんので規格はありません.製品間や製造者間で品質のばらつきや材料の相違があります.すると,伸展性に相違があるため,学会が「巻笛」を推奨しても機能の評価はできないことになります.


左の図は,私たちの診療室で使用している「寝屋川のある会社(A社)」の製品10本と私たちが「八幡光雲堂(B社)」さんから頂いた10本での実験の結果です.左端は,巻きとられた状態から完全に伸ばすのに必要な圧,中は,伸展させた状態から伸展状態が破綻する直前の圧,右端は,手指で引き延ばした状態を維持するのに必要な圧です.この結果では,どうも臨床では正確に評価できるとは言えません.








第1回TOUCH VPFセミナーでは,このような「常識」とされている口蓋帆咽頭閉鎖機能の評価が本当に正しいのか,どうしてスピ-チエイドは装着のcomplianceが低くなるのか,blowing検査は閉鎖機能の評価になぜ使えないのか,ではどのようにすれば「口蓋帆咽頭閉鎖不全」の治療や訓練が合理的にできるのか,あるいは適切なスピ-チエイドやPLPはどのようにすれば作成できるのか,といったことを解剖と生理から解きほぐしていきます.