(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

障害への無知が差別を産む.

DocTak2008-06-02


昨日はピカ天(聞くところによれば,「ピース缶の青色」とのことらしいですが,真意は知りません)でしたが,今日はすっかり梅雨に入ってしまいました.


昨日の朝,当直明けに帰宅して庭のベンチで面白いものを見ました.右上の写真ですが,なんだと思われますか?


庭のヒイラギの枯葉が風に運ばれて木のベンチに刺さって立っている姿です.なかなか凛々しいです.


さて,第二回TOUCHセミナーは残席26になりました.


いつもとは毛色の違った話を....

先々週の日曜日に愛知県歯科衛生士会研修会での講演に出かける際,新大阪駅の書店に入り何気なく手に取った「たった一人の再挑戦」(加藤 仁著,文藝春秋の中に興味深い話が出ていました.


紡績会社に勤務されていた方の話です.
かつて鉄工所に勤めていた体験から工場でも修理や調整をされて重宝がられていたのですが,ある日,調子の悪い機会を調整中に,ロールに右手が巻き込まれてしまい,親指の付け根を1cm残して全ての指を失われました.

工場で働くことができず,退職されて左手でできる仕事を探されました.高速道路の料金所,養鶏場,警察での車庫証明を発行する部所での仕事(巻尺で車庫のサイズを計るだけ)....いずれも断られました.その理由は,「先入観」でした.彼が述懐するのは,「障害者に対する無知が差別を産む」でした.もっとも彼を腹立たしくさせたのは,「福祉」を商売にしている人たちであったとのことです.すなわち,義肢業者に図面を持ち込んでtailor made の義手の作成を依頼しても,試すことなく「それは無理」とされて話を聞いてもらえなかったことでした.

結局,彼は自分の左手を駆使して,自分で工作機械を購入して作成した義手を使って,現在は科学技術庁長官賞や特許庁長官賞まで下賜されるほどの障害者補助具を開発する会社を立ち上げ,現在も忙しくされているそうです.


よく似た話を経験します.


いま食の現場では,まだミキサー食(たとえば肉じゃがならゼーンブをミキサーに入れて潰してしまう)が普通に出ています.どう見ても「不味そう」です.梅干を見ると唾液が出るのは経験があるからで,それで身体の準備ができています.ミキサー食の肉じゃが,果たして準備ができるでしょうか?


作ってみた方は,一度ご自身で美味であるかを確認されるのがよろしいでしょうね.刻み食がどんなに食べにくく,どんなにリスクが高く,どんなに不味いか.....


自分がされて嫌なことは他人にもするな,は小学生の頃によく聞いた母親の言葉です.



上は庭に咲いた「ほうずき」の花です.昨年に散った実から出芽したのが大きくなりました.秋の実りの時が楽しみです.