(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

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NGチューブはデンタルプラークでどれほど汚れるか?


滅多に無い二日続けての公開です.
昨日は,装着後2週経過してプラークが著しく付着したカニューレを見て頂きました.同じ方の,装着後2週経過したNGチューブを右上に示しています.


以前,教室員が撮影した1週経過したチューブの染め出し写真では,食道の下半分から胃内部までの部分は染まっていませんでした.その際の彼らの結論は,「胃酸の効果」としていましたが,食道下半分が染まらなかったことを「胃酸の効果」とするには,少し無理を感じていました.


「もっと長期であったらどうなるのか」という疑問をずっと持っていました.右上のチューブは,正しく2週間経過したことが担保できるチューブです.やはり,食道下半分どころか,胃内部に入っている部分も染まっていました.いわゆるバイオフィルムは,NGチューブの表面を時系列的に覆って行くのだということがわかりました.しかも,この方の口腔ケアは適切であり,口腔内の汚れを調べる検査では問題ありませんでした.それにもかかわらず,このように染まりました.もしもケアが悪かったらどうなるのでしょうか?


NGチューブ交換の時期をデンタルプラークの付着の視点だけでは決定できませんが,当然口腔に近いチューブの表面に付着したプラークは,それ以下よりも厚く付着していると思われます.NGチューブは,頚部の運動や姿勢によって,喉頭蓋の上,気管入口部をまたいで,食道に入っていることがあります.またがっている部分のプラークが剥がれて,唾液とともに気管内に垂れ込めば,肺炎のリスクは一気に上昇するでしょう.やはり,NGチューブを留置しているなら,留置直後からの口腔ケアは最低でも行なわなければならない要件minimum requirementと言えます.



昨日,久しぶりの休みで,溜まっていた子供との約束の木工をしようと,ディスクグラインダーを使っていて,ズボラして操作を誤り示指の腹を切ってしまいました.幸い,皮革製の作業用グローブが破れてくれて,大事には至りませんでした.キーボードを叩くのが不自由で,丁度読みやすい長さになっているのではないでしょうか.


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