昨日,第37回TOUCH口腔装置治療実習セミナーを終了しました.保険診療として立派に収載されているのに,大学歯学部での教授要綱には載っていないという「奇妙な装置」ですが,言語聴覚士さんたちはご存知の「スピ−チエイド」「PAP」「PLP」の治療概念を解説し,一番の肝になる部分の作成実習を行いました.
2010年全国老人保健施設協会の調査では,3350あまりの老健施設が登録され,29800人余りの方が利用されていました.老健施設は主に脳卒中後のリハビリテ−ション施設ですが,その多くの高齢利用者は,脳卒中後の2つの障害(運動機能障害+感覚機能障害)による口腔機能の障害(摂食嚥下障害/音声言語障害)も有していると考えらえますが,老健施設に勤務する常勤/非常勤の歯科医師は,わずか59人しかいませんでした.
歯科は斜陽だと言われ続けていて,歯科大を減らす,国家試験の合格者を足きりするとか言われています.この問題の本質は,歩いて来れる全身的に健康な患者さんの歯科疾患の治療しか考えていないためではないでしょうか.
本来の医療の目標である「生活参加を支援する」上では,この口腔装置治療を広めることは重要ではないかと考えて開催しています.
参加者の先生方には,お疲れさまでした.実習がお役に立つことを祈っております.
実習準備のために,YouTubeへの第3回目の動画のUPが遅れてしまいました.