(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

口腔装置実習終了しました.28年度セミナーの受付開始しました

第3回実習風景


3月27日(日)口腔装置治療セミナー(実習付)を終了しました.実習セミナーとしては三回目になりました.PAPは嚥下補助装置として保険診療に収載されましたが,軟口蓋挙上装置やバルブ型スピ-チエイドは,古くから発音補整装置として収載されています.ところが,この領域の歯科医療者はほとんどおらず,残念なことに,歯学教育においては歯学教授要綱にも記載されていません(おそらく).


日本人の寿命が50歳を越えた1947年以後,65年かけて35歳も伸びました.寿命50歳頃では,一つの疾患が治癒すれば生活でき,治癒しなければ亡くなっていたため,医療の目標は疾患治療で充分でした.すなわち,全身疾患が治らなければ亡くなっていたため,疾患が治れば自動的にば歯科を受診できたため,当時の歯科医療の目標は,栄養摂取を妨げる歯科疾患の治療や義歯の作成であり,特別に意図しなくても生活参加を支援できました.歯科医療の目標も歯科治療で充分でした.

ところが,寿命90歳の現代の日本人は,何度も治らない疾患を複数有して生きることになたっために,疾患治療ではニーズを充たすことができなくなり,要介護度や寝たきり度に応じて生活参加することを支援するための様々なサ−ビスが必要になりました.当然,歯科医療にも同じことが要求されるようになったといえます.


これは,歯科医療の本来の目的に合致していると思っています.すなわち,口腔機能の回復を通じて生活復帰を支援することであり,歯科疾患の治療は目標ではなく,幾多の選択肢の内の一つの手段に過ぎないと思っています.
時代が歯科医療に求めることは,寿命50歳時代とは明らかに異なってきていますが,残念ながら大きな変化は見られません.



口腔装置治療は,生活参加を支援できる強力な手段であり,多業種協働のための大きなinterfaceであると思っています.とくに,言語聴覚士養成校での教科書の中には,明確に発音補助装置について記述されているものもあります.他職種,とくにリハビリテ-ション職との協働の上では重要ではないかと思っています.
(しかしながら,装置を保険診療として認めさせた私たち歯科医師の先輩の先見性には畏敬の念を抱かざるをえません)


私たちの小さな一般社団法人TOUCHの微々たる力では,なかなか爆発的に広まるものではありませんが,「高崎山の100匹目のサル」を目指して,頑張りたいと思っています.参加くださった16名の先生方には,臨床現場で実践していただきたいと思っております.

今日は,少々「熱く」語ってしまいました.先週罹患したインフルエンザの影響でしょうか....


今年度のセミナーの予定が以下のように決まりました.
今年度は,希望の多かった日曜日の開催です.

基礎Aは現在HPで受付中です.

  • 8月28日 基礎B (池田商工会議所:前回の記事では豊中商工会議所でしたが,変更しました)
  • 11月20日 アドバンスト 

平成29年

  • 2月19日 VPF
  • 3月 5日 グループワーク
  • 3月26日 実習A