(現在は使っていません)口腔機能の歯医者-DocTak舘村 卓のささやき

様々な原因による食べる,話す機能の障害に対応するための情報を提供します

Team for Oral Unlimited Care and Health 限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団 http://www.touch-sss.net/ http://touch-clinic.jp/

スタバのコーヒーは美味しかったでしょうね.


11月19日のブログで取り上げたR子さんが来られました.

お母さんから,プレートが10日程度で脱離しやすくなり,舌で遊ぶようになってしまったとのコメントを頂戴しました.しかし,明らかに口唇の閉鎖は良好になり,唾液嚥下が良好になってきたと言われました.下顎前歯のuprightも良好な経過でしたので,10日ほど矯正力は低下してくるのだと理解できます.ここまでは,想定した結果でした.


でも,ここで不思議なコメントを頂きました.これまで夜間に『いびき』をかいたり,唾液を嚥下できずに覚醒していることがあったのが改善され,舌が前方に出てくるようになったこと,そして何より経口摂食状態が良くなったこと,さらに,何とスターバックスでスプーンからコーヒーが飲めたと言われました.



この結果は,どう考えても,舌が前方位になったこと,舌運動機能が良好になったことをうかがわせるものです.しかし,私たちが作成したプレートには,舌機能を向上させることを目論んだ装置ではありませんでした.


何故か?何故か?何故か? と考えていて,『aha』と気付きました.


そうです,お母さんは,『外してプレートを舌で遊ぶようになってしまった』と言われていました.すなわち,プレートを歯列から外そうとして,舌を前方に持ってくることで舌の前後運動が促され,さらに外すために舌を上下に運動させていたと考えられます.


これらの運動が誘導できたことで舌の前後上下運動が賦活され,ニュートン流体も嚥下可能になり,安静時の舌のtonusが向上したために咽頭に落ち込んでいたような舌根が前方に牽引されるようになり,夜間睡眠時に呼吸路が開大するようになって『いびき』が軽減したと考えられます.


このような効果は,舌機能の障害を持つ子供たちに適用する上顎に装着するCM床に似ています.この下顎用のプレートも一般的に使えそうです.


次回,R子さんのもっと『びっくり』の結果を報告します.

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